クリニック・ハイジーアは、摂食障害を根本治療

食事療法健全なココロとカラダを取り戻す食事療法

「過食を止める薬」や「低血糖症を治す薬」は、ありません。
「過食症状を治療する」ことは即ち「低血糖症を治すこと」、つまりインスリンをたくさん分泌させないように、血糖値を安定させる食事方法が自分でできるもっとも良い「クスリ」です。

ポイントは、おもに3つです。
① GI値の低い食品を食べること(精製された炭水化物を止めること)
② 食べる順番に気をつけること
③ 食事の回数を多くして、チョコチョコ食べること
④ その他のポイント
GI値リスト

それでは、一つずつ詳しく説明していきましょう。

① GI値の低い食品を食べること

みなさん「5大栄養素」という言葉、ご存知ですよね?

五大栄養素
たん白質 4kcal / 1g
脂質(油) 9kcal / 1g
糖質(炭水化物など甘いもの) 4kcal / 1g
ビタミン ほぼゼロkcal
ミネラル ほぼゼロkcal

この栄養素のうちで、「血糖値を急激に上げてしまう食べ物」または「インスリンをたくさん分泌させる食べ物」は、精製された糖質(炭水化物などの甘いもの)だけです。
低血糖症は、血糖値を急激に上げてしまう「精製された糖質(白米や白砂糖や甘いもの、ジュースなど)」を頻繁に食べることですい臓がコントロールを失った状態です。

つまり血糖値を急激に上げない食べ物「GI値」の低い食べ物を食べることが低血糖症を治療する大切なポイントです。
GI(グリセミック・インデックス)とは、「血糖値の上がりやすさ」を表わす数値です。
GIの高い食品は血糖値を急激に上昇させるため、インスリンがたくさん分泌され、その結果低血糖症を起こします。砂糖やブドウ糖果糖液糖、また白米や白いパンなどは精製された高GI食品ですから、低血糖症を容易に起こします。
ブドウ糖を使った清涼飲料水が「疲労回復によい」として今では当たり前のように販売されていますが、単糖類のブドウ糖は二糖類の砂糖よりもさらに分子量が小さいため、血糖値をもっとも急激に上昇させてしまう、チョット怖い食品です。

その上、500mlのペットボトル1本で、スティックシュガーでおよそ19本分もの砂糖が含まれています。「甘さ控えめ」とうたっている商品でも、ティースプーンで3杯分です。
(ちなみに、缶コーヒー190ccではスティックシュガー2.7本分、甘さ控えめタイプではスティックシュガー1本分程度の量になります。)
高度成長期から自動販売機が日本中に設置されるようになりましたが、自動販売機の販売台数と糖尿病の罹患数の成長曲線が一致するのはよく知られています。自動販売機の台数が3倍に増えると糖尿病は5倍に増えました。
分子量の小さいブドウ糖果糖液糖が含まれた飲料がこのように巷にあふれ、手軽に購入できる環境では、糖尿病のみならず低血糖症を引き起こすのも当然でしょう。

低血糖症や糖尿病の治療や予防には、GIの低い食べ物を食べることです。
個人差がありますが、GIはおおむね60以下が良いでしょう。
低GI食品と高GI食品の大まかなイメージは、下記のとおりです。
詳しいGI値リストは、次章をご覧ください。

低GI食品
肉、魚介類、卵、大豆製品、乳製品、野菜、海藻、きのこ、果物、ナッツ類 など
高GI食品
砂糖やブドウ糖果糖液糖が入った飲み物、洋菓子や和菓子、スナック菓子、白米や白いパンなどの精製された穀物またはその加工食品 など

食事療法のイメージは、「甘い食べ物は避け」、「精製された白米や白いパンなどを減らして、野菜やおかず中心のメニュー」にすることです。
がっかりするかもしれませんが、「甘いものは、一切禁止!」です。甘い食べ物(や飲み物)を止めなければ、インスリンの分泌を控えることができないからです。

摂食障害でとくに過食症状をお持ちの患者さまでは「甘いものは、食べてはいけません。」と指導すると、最初は拒否反応を示したり、どうにか食べる方法がないか?と抵抗してみたり。。。などの反応をされることがありますが、それは明らかな低血糖症の反応です。なぜなら「甘いものを、食べたい!」という欲求そのものが、血糖値のアップダウンが原因しているからです。
アメリカには「シュガーハイ(=甘いもの中毒)」という言葉があるそうです。
むしょうに「甘いものが食べたい!」または「異常な食欲」を感じるのは、血糖値が下がり過ぎている時です。そして血糖値が下がり過ぎてしまった時は日常の「空腹感」とは明らかに違い、「バランス良く野菜やたん白質が食べたい!」とは思わないのです。

血糖値が下がり過ぎた状態では、脳にエネルギーを十分に供給ができません。人間の体にとっては不安定な状態ですから、血糖値を上げようと反応します。そのため「甘いものが異常に欲しくなる」など過食症状が発現します。
そのようなときには血糖値を上げようとしてカテコールアミンがたくさん分泌されその結果、思考力や集中力の低下、イライラ、キレて周りにあたり散らしたり、または落ち込んで憂うつになりますが、そんなときに甘いものを飲んだり食べたりすると、下がり過ぎた血糖値が一気に上昇するので、体は「一瞬」ホッとします。血糖値がある一定のレベルの戻ると、攻撃ホルモンの分泌もおさまり過食衝動も精神的にも安定するのです。

それどころか、甘いものを摂ることで「脳内麻薬」といわれるエンドルフィンが分泌されると、独特のなんとも云えない「幸福感」すら感じます。
テンションが上がって「ナチュラル・ハイ」状態です。

正常と低血糖症の血糖値の変動グラフ 血糖値の変動

しかし残念ながら、この血糖値が上がった「シュガーハイ」状態は、いわば甘いものを食べた直後の独特の幸福感であり、血糖値のギャップが極端なほど感じやすいのです。
すぐに、血糖値を下げようとしてインスリンが分泌され→血糖値の急激な低下→カテコールアミンの異常な分泌→「甘いものが食べたい!」といった悪循環の始まりにすぎません。
精製された糖質は、まるで麻薬のようです。

  • 甘いものが大好き!
  • 甘いものを食べている時がいちばん幸せを感じる
  • 毎日なにか甘いものを食べないと気が済まない
  • 甘いものを食べないと、頭がスッキリしない
  • 缶コーヒーや午後の紅茶、炭酸飲料などを飲むのが習慣になっている
  • バイキング形式の甘いもの食べ放題が大好き

このような状態は、まさに甘いもの中毒を呈しています。まるで、「たばこを止められない」「お酒を止められない」「麻薬を止められない」などのような状態と変わりません。
(注意 甘いものが大好きな方が、必ずしも低血糖症であるとは限りません。)

このように、そもそも、とくに分子量の小さい糖質は、人間の体にとっては非常に不都合なのです。私たち人類が何万年もかけて進化して得た生理機能に、まったくそぐわない食べ物なのです。
その上、甘い菓子や飲み物はカロリーだけはしっかりありますが、たん白質やビタミン・ミネラルなどの栄養素がまったくといってよいほど含まれていません。まさに、肥満の原因です。
低血糖症で「甘いもの中毒」だと、どうしても食べたい衝動が起きますが、GI値の低い食品を少量頻回で補給し、血糖値のアップダウンがなくなると、あれほど欲しかった甘いものが自然と欲しく無くなります。

そして次に問題にとなるのは、主食のとり方です。
米でも小麦でも、精製された穀物(白い米や白いパン、白い砂糖)はすべて低血糖症の原因になります。

GI値表をご覧いただくと一目瞭然ですが、全粒粉のパンや玄米など未精製の炭水化物は、食物繊維が豊富に含まれるためGIが60以下と低いことが分かります。
未精製の炭水化物であっても、リーキーガッド症候群を引き起こしている場合では、低血糖症状は起こります。その場合は、GIの低い食品(60まで)を選んで食べることと並行して、腸内環境の整備が非常に大切です。

低GI食品の摂取と栄養療法を取り入れて「明らかな体調の変化が感じられない」や「過食症状が治まらない」、または「多少の改善しか感じられない」場合では、リーキーガッド症候群が疑われるため腸内環境の治療が必要なため当院での受診をお勧めします。
明らかな改善の変化を感じないのは、栄養が充足されず飢餓状態が継続している、もしくはサイトカインストーム(免疫異常)を起こしているなどの可能性が考えられます。

② 食べる順番に気をつけること

そしてGIの次に大切なのは、「食べる順番」です。
空きっ腹に、ひと口目に精製された糖質(=炭水化物)を食べることは、たとえ少量でも御法度です。また喉が渇いたとき、いきなりブドウ糖果糖液糖を含んだ清涼飲料水を飲んでもいけません。
別名太らせるホルモン「インスリン」の章でも触れましたが、分子量の小さな精製された糖質だけが血糖値を急激に上げてしまいます。

糖質の種類によりますが、糖質を摂取するとあっという間に100%血糖に変わりインスリンを分泌させます。
たん白質が血糖に変化するのは50%であり、しかもゆっくり変化するため、インスリンを分泌させにくく心配ありません。
そして脂質で血糖になるのは10%未満であり、ほとんど血糖値を上げません。
たとえば空腹時にブドウ糖果糖液糖が含まれる清涼飲料水を飲むと、単糖といって非常に分子量が小さいため、血糖値は急激に上昇してしまいます。

その反対に、空腹時にGIの低い食品を食べても血糖値が急激に上昇することはありません。とういうことは、野菜やたん白質などを十分な量を食べた後に、ブドウ糖果糖液糖の含まれる清涼飲料水を飲んでも、空腹時に飲むよりかは血糖値の上昇を控えることになります。
(注 単糖類のブドウ糖果糖液糖を含んだ清涼飲料水は、どんな時でもお勧めしません。)

つまり同じ内容を食べたとしても「食べる順番(とくにひと口目」で血糖値の上昇に大きな違いがあるということです。
「食べる順番を守る」というチョットした工夫で、低血糖症になりにくくなります。
食事の順番は、まずは食物繊維やファイトケミカルの豊富な野菜などと共に(肉、魚、大豆製品、乳製品など)たん白質のメインデッシュ、そして未精製の玄米や全粒粉のパンなどをしっかり食べることを心掛けましょう。
GIが低いからといっても、一度にたくさん食べ過ぎたり、空きっ腹にいきなり炭水化物から食べ始めることは禁止です。空きっ腹にいきなり最初から炭水化物を食べてしまうと、血糖値が上がりやすいためです。同じ量の炭水化物でも、ある程度脂肪分が含んだものや繊維質の含んだものと一緒に食べると、血糖値の上昇がゆっくりになります。
もっとも気をつけて欲しいのは、たとえ未精製であっても過食症状が強い場合は「炭水化物オンリー」の食事内容は避けてください。

たとえば「おにぎりにお茶」「パンとコーヒー」などは、厳禁です。忙しくて仕方がないときもあるでしょうが、そのような時はひと口チーズなどを食べて、それから炭水化物を食べるなどの、チョットした工夫をしましょう。
大好きなアイスクリームをお昼ごはんのかわりにする!などは、まったくもって論外です!!

しかし患者さまの中には、少量の未精製の炭水化物でも、食べ方の組み合わせや順番を工夫しても、低血糖になってしまう方もいらっしゃいます。その場合は、リーキーガッド症候群がある程度改善するまでは、動物性たん白質を一切食べない、という食事法も時として必要な場合もあります。
少量の未精製の炭水化物で容易に低血糖を起こす場合は、腸内環境に問題がある可能性があります。小腸のタイトジャンクションの崩壊→リーキーガッド症候群→内毒素(エンドトキシン)の侵入→満腹中枢の機能異常→過剰な食欲を引き起こします。並行して、腸内環境の改善が必要です。
炭水化物を、どのくらいの量、どのように摂っていったら良いかを具体的に決めるには、5時間糖負荷検査(OGTT)がお勧めです。
低血糖症の診断のページの②より、過食タイプには頻度の多い「反応性低血糖症」と診断された場合、つまり血糖値の乱降下の激しい患者さまでは、未精製であってもしばらくの間は炭水化物を一切摂らないほうが良い場合もあります。

とくに境界型の糖尿病を合併している場合(75gOGTT2時間値140~200)では、糖分を摂取して血糖値が上がるたびにすい臓が大量のインスリンを分泌しなくてはなりません。
このような状態が続くとすい臓の疲弊を招き、いずれは糖尿病に移行する可能性があります。糖尿病とは、すい臓が疲弊しランゲルハンス島のβ細胞の死滅しインスリンを作れなくなる、いわば慢性すい不全のような病気です。糖尿病を予防するには、しばらくは炭水化物の摂取を控えることです。炭水化物の摂取を控え栄養療法を実践すると、鞭打って疲弊したすい臓を休ませβ細胞の再生を促します。

その反対に無反応性低血糖症の場合は、血糖値が常に低い状態にあるため、つねに適切な血糖値を維持するには、むしろ炭水化物(むろん、未精製)を少量ずつ、こまめに補給する必要があります。
5時間糖負荷検査(OGTT)をおこなわない場合、自分に合った炭水化物のとり方を判断する方法は、炭水化物の量や種類、そしてタイミングを変えてみてください。つまり一切食べないほうが調子が良いのか?もしくは少しは食べたほうが調子が良いのか?自分のカラダに聞いてみるわけです。

もし炭水化物を食べた後に、過食症状が出たり、余計にお腹が空いてまた食べたくなったり、あるいは眠くなったり、だるくなったり、イライラしたり、落ち込んだりなど、いつも気になる症状が出るようなら、「量が多い」またはリーキーガッド症候群が疑われ腸内環境の整備が必要です。
その反対に、炭水化物を一切控えた場合に、疲れやすかったり、うつ症状が強くなったり、不快な症状が気になるようでしたら、炭水化物を摂ったほうが良いでしょう。もちろんその場合も、血糖値を急激に上げるような食べ物はいけません。また、量や摂り方にも、工夫が必要です。

炭水化物を一切とらないとカラダに悪いのでは?と、心配なさる方がいらっしゃいますが、あまり心配することはありません。いわゆる炭水化物と呼ばれるもの以外の食品にも糖分はある程度含まれていますし、人間の体はブドウ糖の代わりにアミノ酸や脂肪酸などをグルコースに変えることができます。長期間糖質を制限すると、脂肪が燃焼されたケトン体を利用して脳はエネルギーを補給できるので、基本的には心配ありません。
(注 炭水化物を一切取らないのは、あくまで反応性低血糖症をおこしている過食タイプの患者さまのみです。拒食タイプでBMIが18.5以下の低体重では、当然ながら適切な糖質の摂取が必要です。)

③ 食事の回数を多くして、チョコチョコ食べること(少量頻回食のすすめ)

普通は食事回数は1日3回ですが、摂食障害をお持ちの患者さまでは、1日3回の食事で、食事と食事の間隔が長い(4時間以上)と低血糖症状が起きてしまいます。そのため低血糖に陥らないためには、食事の回数を多くしてチョコチョコ食べる、つまり食事と食事の間隔を短くすることが大切です。
「1日3回、しっかり食事をする」というよりかは、2~3時間おきに腹3分目くらいの少ない量を、チョコチョコ食べる、ようにしてください。
5時間糖負荷検査(OGTT)の血糖値のカーブを診ると、個人差はもちろんありますが、多くの患者さまではブドウ糖を飲んでから4時間後にもっとも低い血糖値を示します。
強い過食衝動を起こす原因の一つであるアドレナリンノルアドレナリンは、血糖値が下がり切ってから分泌されるのではなく、実際には血糖値が下がり始めてから分泌が始まります。食事から4時間経過して、強烈な空腹感が襲ってきたときには、すでにこれらのホルモンは分泌されてしまっています。ですから、血糖値が下がり切る前に、なにかを食べることが必要です。そうすると、血糖値が下がり切って異常な食欲に走ることを防ぐことができるのです。

間食に良い食べ物
・豆乳
・炒り大豆
・枝豆
・豆腐
・ゆで卵
・卵焼き
・チーズ
・ヨーグルト(無糖)
・煮干し
・うるめいわし
・ちりめんじゃこ
・さきいか
・干し貝柱
・ビーフジャーキー
・さつま揚げ
・アーモンド
・カシューナッツ
・マカダミアナッツ
・クルミ
・プロテインパウダー

また低血糖症状が出やすい時間帯が、午後とくに夕方です。これについては、視床下部による血糖調節で詳しくご説明をいたしました。
各ホルモンの分泌時刻から、午後の4時以降にはホルモンによる積極的な血糖値が維持されない時間帯があるためです。過食症状は低血糖の時間が長いほど、そのあとの過食を起こしやすくします。そのため過食の時間帯は、仕事や学校から帰宅して夕食以降に起こります。

このように低血糖症が午前よりも午後、とくに昼食後や夕刻に出やすいため、昼食と夕食の間に間食を取ることが大切です。この間食の摂取で血糖値の低下を防ぎ、夕食後の過食を減らすことが可能です。
昼食と夕食の時間の間には、少なくとも2回の間食をしてください。どんなに食べたくなくとも、なにかひと口分でも構いませんから、食べてください。
もちろん、選ぶ食べ物は低GIのものです。カロリーが少ないからと言って「飴1ケ」とか「チョコレート一かけ」などは、禁止です。

また、血糖は睡眠中につかわれてしまいますから、朝は血糖値が一番下がりやすい時間帯です。
朝の低血糖を補正するために、朝食は軽めで十分ですから、必ず食べるようにすることです。
間食には、手軽に食べられるナッツ類などがおすすめです。
でも、ナッツ類は、食べ過ぎに注意してください。

下記は、市販の食品の注意点です。
トランス脂肪酸は摂取しないでください。
加工食品は原材料表示を確認して、砂糖やブドウ糖果糖液糖が入っていないもの、または少ないものを選んでください。当院の取り扱いのプロテインパウダーは低カロリーですから、お勧めです。

④ その他のポイント

食物繊維を十分に摂る事

食物繊維は「第6番目の栄養素」などと呼ばれ、実はダイエットには非常に大切な栄養素です。
食物繊維は炭水化物の一種であり、その定義は「小腸までの過程で消化されずに大腸にいたるもの」とされています。

下の表は、イギリス属領諸国政府の顧問医師を30年にわたって務めたヒュー・トローウェル博士(1904-1989没)がアメリカ上院栄養問題特別委員会(マクガバン委員会)に提出した資料の一つです。

アイルランドの兄弟
アイルランド移住者 アメリカ移住者
調査対象人数577人577人
年 齢20~39歳20~39歳
カロリー摂取量3792キロカロリー3096キロカロリー
繊維摂取量6.4g3.6g
F/E率0.1680.116
上腕三頭筋の皮下脂肪の厚さ7.5㎜10.0㎜
体重76.0㎏78.5㎏

アイルランドで生まれた双生児の兄弟で、一方はアイルランドに留まり、もう一方はアメリカに移住した577組を比較しています。
まず、アイルランド移住者の繊維摂取量は6.4g、そしてアメリカ移住者では3.6gでした。そして、1日の摂取カロリーの平均は、アメリカ移住者の方が700キロカロリーも少ないにも関わらず、皮下脂肪も体重もアイルランド移住者よりも多いことが分かります。

カロリー摂取量が多くても繊維摂取量が十分であれば、肥満を防ぐことが十分に可能であることが分かります。繊維の不足が腸内環境をダイレクトに悪化→エンドトキシンのトランスロケーション→免疫のアンバランス→慢性炎症を引き起こした結果、肥満に直結することが分かる貴重な研究です。
食物繊維は、腸内の善玉菌や短鎖脂肪酸のエサになり、善玉菌を増やし腸内環境を整えます。
摂食障害の症状をお持ちの方では、便通に悩む方や、下剤を常用される方も非常に多いです。
便秘も下痢も、低血糖症の症状をより悪化させ、改善の足かせとなります。
そして「臭いオナラ」は、腸内環境が悪化しているサインです。

オナラの主成分は、窒素、水素、酸素、二酸化炭素、メタンで、ほぼ無臭です。悪臭のもとは、アンモニア、硫化水素、インドール、スカトールといった、腸内の悪玉菌が生成しています。
動物性高たん白・高脂肪・低繊維食は、腸内の悪玉菌を増殖させます。
積極的に食物繊維を摂取していただき腸内環境を整えることは低血糖症を改善する早道ともいえるでしょう。

食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維に分類されます。
水溶性食物繊維は熟した果物や海藻に、不溶性食物繊維は米、麦などの穀類や大豆、野菜の根菜類に多く含まれています。

日本人の食物繊維の平均摂取量は、1日当たり15~16グラム程度です。厚生労働省の推奨量は、20~25グラムですから現代の日本人は総じて食物繊維が不足しています。

10グラムの食物繊維を、食品から摂るには?
ごぼう 1本納豆 3パックバナナ 10本
コンニャク 500gブロッコリー 1個アーモンド 100粒
パインアップル 1/2個しめじ 3株オートミール 100g
サツマイモ 大2本ひじき(乾) 大さじ4おから 100g

加工食品を控え、新鮮な食材を選ぶ

加工食品の多くは、味を良くするために砂糖やブドウ糖果糖液糖がたくさん含まれています。店頭で販売されているお惣菜などにも、一見は甘くないように見えても隠し味で砂糖は使われています。
新鮮で過熱をしていない食材には、たっぷりの酵素が含まれているため、腸内環境の改善に大切です。

ファーストフード、スナック菓子、カップラーメンなどの加工食品には、トランス脂肪酸がたっぷり含まれています。トランス脂肪酸は、水素添加された人工合成された油であり、アメリカでは「食べるプラスティック」などと揶揄されています。
脂質は、脳の機能にも関わる大切な栄養素であり、血糖値の急上昇を控えてくれます。良質で新鮮な油を、「生」の状態で積極的に摂取してください。

刺激物を控える

低血糖症をお持ちの方では、エネルギーを作ることができないために、疲れやすくなりがちです。そんな時には、手っ取り早くテンションを上げるために、無意識でカフェインやアルコール、煙草などの刺激物が欲しくなります。
これらの刺激物は、興奮性の物質を分泌させたり、抑制系の神経を麻痺させてしまいます。

便秘や下痢の症状が強い場合

低血糖症状を憎悪させる原因がリーキーガッド症候群であるため、牛乳や動物性たん白質の摂取を控えてください。
たん白質の補給は、豆腐や納豆などの植物性たん白質や魚を選んでください。魚も大型ではなく、頭から尻尾まで丸ごと食べられる小さな魚がおすすめです。

GI値リスト

食材GI値食材GI値食材GI値
糖質たん白質果物
グラニュー糖110ベーコン49バナナ55
上白糖109ハム46巨峰50
はちみつ75牛肉46ドライプルーン44
メイプルシロップ73豚肉45メロン41
果糖30鶏肉4537
人工甘味料10いくら45さくらんぼ37
菓子パン95うなぎかば焼き43キウイ35
フランスパン93油揚げ43みかん33
食パン91豆腐42グレープフルーツ31
じゃがいも90その他 魚40アボカド27
うどん85納豆33種実類
8530ナッツ類15
精白米84枝豆30アルコール類
さらしあん83豆乳23梅酒53
こしあん80乳製品サワー38
人参80生クリーム39日本酒35
中華めん71プロセスチーズ31ビール34
胚芽精米70牛乳25ワイン32
そば59ヨーグルト25焼酎(甲類)30
玄米56加工食品調味料
さつまいも55いちごジャム82こしょう73
スパゲッティ(乾)54桃缶63カレールー49
かぼちゃ53パイン缶62トマトケチャップ30
全粒粉パン50さつま揚げ55オイスターソース30
玉ねぎ・その他野菜15はんぺん53しょうゆ11